ランブックとは、DRの仮想環境を立ち上げる際の一連の手順についての説明・その手順自体のことを指します。
ランブックを使用することにより、以下の機能が利用可能です。
- 1台、または複数のサーバーのフェールオーバーを自動化する
- サーバーのIPアドレスにpingを実行し、指定するポートとの接続を確認して、フェイルオーバーの結果を自動的に確認する
- 分散アプリケーションを実行しているサーバーの操作の順序を設定する
- ランブックのワークフローに、手動の操作を含める
- テストモードでランブックを実行し、ディザスタリカバリ (災害からの復旧) の完全性・信頼性を検証します
【ランブックの作成】
注意: 長いランブックを作成する際は、データが失われないよう、途中途中で [保存] をクリックし、データを保存してください。
- メニュー[ディザスタリカバリ] > [ランブック] >[ランブックを作成] を選択します。
- [手順を追加] をクリック > [操作を追加]より、アクションを追加します。
追加した手順はドラック&ドロップで、操作と手順の入れ替えが可能です。アクション 説明 サーバーフェールオーバー フェールオーバーを実行します。 サーバーをフェールバック* フェールバックを実行します。* サーバーを起動 サーバーを起動します。 サーバーを停止 サーバーを停止します。 マニュアル操作 ユーザーによる手動の操作がある場合は、こちらのアクションを使います。
ランブックのシーケンスが [マニュアル操作] に到達すると、ランブックは一時停止し、ユーザーが確認ボタンをクリックするなどの必要な操作が実行されるまで、ランブックは続行されません。
ランブックを実行 別のランブックを実行します。
選択できる別のランブックは1つだけです。
*注意:現在の製品バージョンでは、ユーザーはフェールバックを手動で実行する必要があります。
すべてのアクションにおいて、以下のアクションパラメータが存在します。
- 実行済みの場合は続行 (デフォルトで有効)
このパラメータは、要求されたアクションが実行済み (アクション「サーバーを起動」を行う際、既にサーバーが動作していた/アクション「サーバーフェールオーバー」を行う際、既にフェールオーバーが実行済み) であった場合の動作を定義します。この設定が有効化されている場合、ランブックは警告を発し、続行します。無効化されている場合、操作・ランブックは失敗します。 - 失敗の場合は続行
このパラメータは、要求されたアクションが失敗した場合のランブックの動作を定義します。この設定が有効化されている場合、ランブックは警告を発し、続行します。無効化されている場合、操作・ランブックは失敗します。
[サーバーを起動]、[サーバーフェールオーバー] アクションについては、完了の確認、サーバーが利用可能となったことの確認のため、以下の追加設定を行うことが可能です。いずれかの確認に失敗した場合、そのアクションは失敗したと見なされます。いずれについても、デフォルトのタイムアウト時間は10分間です。
- IPアドレスにpingを実行:
ソフトウェアは、サーバーの応答または設定されたタイムアウト時間、もしくはいずれかの早い方を迎えるまで、クラウドサーバーの本番IPアドレスに対してpingコマンドを実行します。 - ポートに接続:
ソフトウェアは、接続の確立または設定されたタイムアウト時間、もしくはいずれかの早い方を迎えるまで、クラウドサーバーの本番IPアドレスと指定されたポート番号 (デフォルト: 443) を使用して、クラウドサーバーへの接続を試行します。これにより、指定したポートで待機するアプリケーションが動作しているかを確認します。
[別のランブックの実行]には、ランブックを指定する必要があります。
注意:ランブック内で呼び出すことができる、別のランブックについては、1つのランブックに対して1度だけ呼び出し可能となっています。操作「ランブックAを実行」を一度設定した場合、異なるランブックの呼び出し、操作「ランブックBを実行」の設定は可能ですが、そのランブックでは、再度、操作「ランブックAを実行」を呼び出すことはできません。
【ランブックの実行】
実行を行いたいランブックの右部にある省略記号「…」をクリック、または、実行を行いたいランブック名をクリックし「実行」をクリックします。ランブックが実行中でない場合、そのランブックの「実行」「編集」「クローンを作成」「削除」を行うことができます。ランブックが既に実行中である場合、これらの操作を行うことはできません。
「実行」をクリックすると、実行のパラメータの設定を求められます。パラメータの内容は以下の通りです。
- フェールオーバーとフェールバックのモード
フェールオーバーのテストを実行するか、本番環境でのフェールオーバーを実行するかを設定します。フェールバックのモードについては、フェールオーバーのモードに対応します。 - フェールオーバーする復元ポイント
存在する最新の復元ポイントを利用するか、過去の復元ポイントを利用するかを選択します。「指定から最も近い日時」を選択した場合、 指定した日時の前で、最も近い復元ポイントが選択されます。
ここで設定したパラメータは、ランブック内のフェールオーバーとフェールバック動作 (「ランブックを実行」で呼び出されたランブック内に含まれるものを含む) に適用されます。